めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第30回 「話し方」を鍛える
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、
最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
人材育成担当者の中には、社員や役員はもちろん、中途・新卒を問わず就職希望者と話をする人もいるだろう。
容姿や雰囲気もさることながら、「話し方」は人に与える印象を大きく左右する。
大手不動産情報サービスのアットホームの調査によれば、「初対面の時に気になるポイントはどこか」という質問に対し、半数近くが「話し方」と答えている※。
ダイヤモンド社の情報サイト「書籍オンライン」に掲載されている元NHKキャスター・矢野香氏と著名経営コンサルタント・神田昌典氏の対談も実に興味深い。対談のタイトルは「年収を増やしたかったら、MBAより話し方を学びなさい。」である。ぜひご覧いただきたい記事だ。
知的、わかりやすい、早口、おっとり等、タイプは人によってさまざまだが、「話し方」というスキルが注目されていることは、関連書籍がベストセラーになったことからも明らかだ。例えば、前述の矢野香氏の著書『【NHK式+心理学】一分で一生の信頼を勝ち取る法』(ダイヤモンド社)がそうである。
主要ビジネス誌にも「話し方」のトレンドがある。『日経ビジネスアソシエ』の2014年9月号の特集は「なぜか意見が通る人の話し方・伝え方」。2015年6月号の特集では「100%伝わる話し方」が取り上げられている。
社員に注目スキルを身につけてもらうのは、人材育成担当者の使命である。教育の場で、社員の「話し方」を磨く仕掛けが必要だ。もちろん担当者自らも「話し方」を鍛えるべきだろう。
さて、話し方を学ぶうえで見ておきたい書籍は大きく4つに大別される。
①「話のプロ」による本
②「伝え方のプロ」による本