負けないマネジャーのための孫子 第10回 継続・撤退の決断の重要性
誰しも、成功や勝ちにはこだわるもの。
とはいえ、成功や勝ちに固執するあまりに、活動を長引かせれば、かえって成功は遠ざかります。
人によって異なる熱意
「勝利」とは、ビジネスに置き換えれば、戦略やプロジェクトなどで成功を収めること。組織のリーダーは強い熱意を持って勝とうとするでしょう。
その際、リーダーには強烈なプレッシャーがかかりますが、成功によって得られる果実(達成感、高評価、報酬、名誉等)が、持続的な熱意の源泉になります。第6回で紹介した「将に五ご危きあり」のように、行き過ぎることへの戒めの教えがあるほど、リーダーは熱意を感じ、持ち続けられるものです。
ですから、メンバーもリーダーと同じ思いで取り組んでくれたらどれだけ業績が上がることでしょうか。しかしそれは多くの場合、困難です。
というのもメンバーは、人にもよりますが、自分が担当する仕事に対しては責任を感じても、部門やプロジェクト全体に対する責任まで感じないことが多いのではないでしょうか。そして、仕事が成功裏に終わることを望みますが、なかなか成功に結びつかない場合、長引くことは嫌悪するものです。
そうした状態では、メンバーの協力や、やる気の高い状態を維持するのは難しくなります。