おわりに “成長体験”が新卒人材を変える
大学のキャリアセンターに企業からの問い合わせが集中している。多くはインターンシップや会社説明会についての相談だ。従来の6カ月から2カ月へと、大きく短縮された今年の採用活動。そのギャップを埋める手段としてインターンシップが注目されている。
自社でもインターンシップを実施すべきなのか? どんな効果が期待できるのか? 実施するとすれば、どのようなプログラムを組み立てればよいのか? 正解が見えず、戸惑う企業は多いのではないだろうか。今回の特集では、そんな“モヤモヤ”を解消するためのヒントを探った。
効能の見極めが大切
人材を見極め、採用選考に結びつけるうえでインターンシップは有効な手段だ。服部泰宏氏(OPINION1)が説明するように、リアルな仕事の場に置かれたとき、その人がどう振る舞うかを見られるからである。面接ではなかなか本音を口にしない学生も、インターンシップの業務体験プログラムやグループワークでは、ありのままの姿を見せることだろう。また、自社を認知し、理解してもらうためには、ワンデー型のインターンシップもよい方法だ。
ただ、注意したい点もある。採用のみを目的としたインターンシップに不満を抱く学生が少なくないことだ。
OPINION2の新治嘉章氏は「採用の側面にばかり気を取られると、教育の効果を期待した学生たちは肩透かしを食らうこととなり、企業に対しマイナスの印象を持つようになる」「インターンシップに不満を感じた企業にはエントリーしない学生が多いことは、当社の調査でも明らかになっている。これでは、企業側にとってもインターンシップをやるだけ逆効果となってしまう」と指摘する。