負けないマネジャーのための孫子 第7回 勝つための5つの原則
前回はリーダーの陥りやすい“過ち”について学びました。
今回は、「勝つための原則」を取り上げます。
『孫子』では戦の勝敗は、戦い始める前の分析・計画の段階で決していると説きますが、組織での現実はどうでしょう。事前調査など関係なく、トップの思いが最優先され事業や戦略が実施されている、と感じている方が多いのではないでしょうか。
それはやむを得ないことでもあります。戦略は権限者の思いで発動されてしまうものだからです。だからこそ『孫子』などの中国古典は、思い先行で失敗するという轍を踏まぬように、と警鐘を鳴らし続けています。
目標を達成できる5つの原則
そこで今回は、「勝つための5つの原則」についてです。どうしたら勝てる(=目標を達成していける)のかを学んでいきましょう。
1つめの原則、「戦うべきと戦うべからざるとを知る者は勝つ」を、事業戦略を例に考えてみます。
「戦う」とは、打って出ること。新規事業展開や既存事業深耕、顧客戦略では新規開拓や既存顧客などになりますが、どちらの戦略を採るにせよメリット・デメリットがありますから、現在の組織の状況を踏まえて実施の可否を判断する必要があります。