めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第25回 「集中力」を鍛えて強化する
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
本連載も3年目に突入した。ひとえに読者の皆様のお陰であり、この場を借りて御礼申し上げたい。今後も書籍というフィルターを通してビジネストレンドを紹介していくので、ご期待いただきたい。
さて、今回のテーマは、「集中力」である。どんな仕事においても集中力は極めて重要な要素だ。短い時間で成果を上げるにはもちろんのこと、的確な判断のためにも欠かせない。
組織において高い成果を上げている人材をよく観察してみると、共通項として集中力の高さが挙げられるはずだ。集中モードに入ってしまうと、話しかけづらい雰囲気を醸し出しながら仕事に取り組む社員、重要度の高い業務において、いわゆる“ゾーンに入った状態”(究極の集中状態)を保ち続けることができる社員など、身近にも集中力をコントロールできる人が存在するのではないだろうか。
しかし、皆さんもご経験があると思うが、集中力を持続することは容易ではない。私自身もかなり苦労してきた。生まれ持った性格なのか、(はたまた遺伝なのか知る由もないが)集中力のなさに悩んでいたことがある。
そんな私に救いの手(?)を差し伸べたのは、プロ棋士の羽生善治名人をはじめとする、集中の達人たちの著書であった。常に何手も先を読むその研ぎすまされた感覚と冷静さ、そして集中力はいったいどこから湧いてくるのか、考え方をずいぶんと学ばせていただいた。「なるほど、そう考えるのか」「そうか、その手があったか」と感嘆すると同時に、集中力はトレーニングで鍛えることができると実感できたことに、今でも感謝している。
では、最近の集中力関連書籍を整理しておこう。著者の観点では概ね、以下の4パターンに分けられる。
①特に集中力を要するプロフェッショナルによる著書
②スポーツ選手や関係者による著書