企業事例(考える①) GE 個人と組織の考える力を高めるリーン・シックスシグマ
米国を代表する企業ゼネラル・エレクトリック(GE)の業務改善手法として有名な「リーン・シックスシグマ」。
問題解決に必要な考えるポイントが示されているため、この手順を学ぶことで自然と考える力が身につくのだ。
組織全体に浸透し、共通言語となっていることで、組織全体の考える力を向上させている。
GEの業務改善手法リーン・シックスシグマ
「リーン・シックスシグマ」は、端的にいえば、GE流の問題解決・業務改善手法である。
リーン・シックスシグマのスタートは、その前身の「シックスシグマ」にある。シックスシグマは製造業における品質向上の取り組みから始まっている。その成功をベースに同社では、金融サービス業や間接部門でも用いられてきた。あらゆる業種・業務に適用可能なのもこの手法の重要な特徴である。
リーン・シックスシグマは考える力を向上させる。その秘密は、リーン・シックスシグマが提供する考え方のフレームワークそのものにある。
リーン・シックスシグマのトレーナーである久崎智子氏は「リーン・シックスシグマは、“自動プレゼンテーション作成ツール”の問題解決版のようなもの」だという。
「たとえば部門で、『最近、仕事をこなしているだけで、新しいことができていないよね』『何かうまくいっていないよね』といった声が出たとします。そんな時、いきなり皆で話し合っても、『何となく悪い』で終わり、具体的な行動計画まで結びつかないことが多いですよね。でもその時、リーン・シックスシグマに沿って順々に考えていくと、自ずと何らかの行動計画にまでたどり着く、といった効果があります」
リーン・シックスシグマの手順に沿って、考え行動していくことで、自然と問題解決に結びつく。裏を返せば、リーン・シックスシグマの手順の中に考えなければならないポイントがいくつもあるということだ。
感覚ではなくデータで考える「DMAIC」による問題分析
そのポイントとは何か。リーン・シックスシグマの前身であるシックスシグマでは、問題解決や改善にあたって「DMAIC」と呼ばれる次の5つのステップを経る。