ネットでつながる時代にどう書くか ネットの集合知で自らの考えを推敲する
パソコンやネットばかりしていては、まとまった文章が書けないという意見もある。だが佐々木氏は、それはまったく違うという。ネットの「集合知」を利用し、書いたものを整理しやすいパソコンだからこそ、質の高い内容を書くことができるというのだ。
文章がうまい最近の若手
「今どきの若手は携帯メールやツイッター漬けで長文が書けない」「インターネット検索ばかりしていて、文章作成に必要な思考力が育っていない」などの声をよく聞く。
しかし、果たしてそうだろうか。逆に私は、むしろ最近の若手は文章がうまくなったと感じる。昔の若者はとかく内容が情緒的になりがちで、論理的な構成が苦手だった。ところが、ブログやmixiが普及し始めた2005年頃から、変わってきた。
ブログで読者を増やすためには、更新頻度を上げることが必要だ。そのためブログでは頻繁に更新するよう努力する書き手が多く、書く機会が格段に増える。もちろん書きっぱなしの文章では読まれない。そこで伝わる文章を書こうと試行錯誤し、結果として文章が磨かれていく。
この事情はツイッターでも同じだ。ツイッターでは140字という字数制限がある。しかも自分のつぶやきに返信をもらったり、引用してもらうためには、もっと短い文章のほうがいい。そうなってくると、もはや俳句・短歌の世界に近い。いやがうえにも言語感覚が研ぎ澄まされていく。
集合知から気づきを得る
パソコンでは考えて書くことができないという見方もある。だがインターネットという「集合知」を利用することで、より自分の考えを深めてから書くことができると私は考えている。