人事の職場拝見! 第48回 日本水産 100年の歴史を未来へつなぐ“キャリア”意識醸成で変革を
ニッスイは「自立と自律」を基本とした新たな教育体系の設計に取り組んでいる。そのキーワードは“キャリア教育”。
社員一人ひとりが自分の役割を認識し、成果を出すことで人生の豊かさへとつなげる――。より高い視点を持つ人材の育成に向け、今、転換点に立っている。
会社を変革する人材づくり
2015年度以降の教育体系を含めた大幅な刷新に向け、人事制度の見直しに取り組む日本水産(ニッスイ)。そうした中で同社が理想とするのは、目まぐるしく変わる環境に合わせて思考や行動を変え、会社を変革へと導ける人材だ。だが、「単に変わることだけを求めているわけではない」と人事部人事課 課長の吉田桂子氏は話す。
「100年企業として存続しているのはそれなりの理由があるから。当社の強みを活かし、時代の要請に合わせて変革できる人を育てたい」
現在運用中の人事制度は約10年前につくられたもので、対象職種は総合職のみ。そのため、自然と「管理職」をめざす社員が多かった。しかし、今や社員のキャリアパスは変化しつつある。制度も今の時代にそぐわなくなった、と吉田氏は言う。
「キャリアの歩み方や働き方は多様化しています。以前はマネジメントになれるか、なれないかという分かれ道しかありませんでしたが、現在では、特定領域で専門性を極める道も考えられます。今回の制度改革では、そうしたキャリアを明確に分けたコース設計をしています」