TOPIC 『ものづくり人材育成フォーラム2014』実施報告 ものづくり現場の中核人材育成のカギは「管理技術」と「キャリア目標」
日本能率協会マネジメントセンターは、製造業の工場長や製造部門管理職、人事担当者を招き、『ものづくり人材育成フォーラム2014』を東京・大阪で開催した。
フォーラム開催前と終了後に行ったアンケートの分析結果から見えてきたものは、グローバル化といわれる中で重視されているのは意外にも「国内のものづくり」であること、そしてそれを支える中核人材の深刻な不足であった。
現場が求める人材を育成するヒントはどこにあるのか、報告する。
重要視される国内工場
今回のフォーラムでは、開催前にアンケートを実施することで、講演内容に影響されない「生の声」が収集された。
事前アンケートは5つの質問からなり、国内工場の位置づけ、およびその中核となる人材の育成について、現状を問う内容である。
質問1の「自社の国内工場(ものづくり現場)は、事業革新や戦略推進のうえで、ますます重要な役割・位置づけとなっているか?」に対しては、全体の8割超が「重要になってきている」と答えている(図1)。
グローバル化、海外移転が進み、一見すると国内ものづくりが希薄化しているかのように考えがちであるが、実際は事業戦略のうえで国内の工場は以前に増して重要視されていることが明らかになった。
マザー工場、戦略的工場としての本拠地を国内に置こうという傾向を示しており、国内にいかに優秀な人材が必要か、ということも表しているといえよう。
不足する中核人材
質問2は「自工場の現場では、中核となる人材は確保できているか?」というもので、質問1で「重要となっている」とされた国内の現場で、必要な人材の育成が行われているかを問うものである(図2)。