社労士に聞く“職場あるある”管理職のもやもや解決 第22回 「定着率を上げたい」
円滑な職場運営は管理職の重要任務の1つ。けれども、さまざまな人が集う職場では日々問題が起こります。中には、手を出しにくいデリケートな問題も。
かといって、放っておくと大事に発展することもあります。
どうすべきか、もやもやと悩んでしまう管理職も多いことでしょう。
ここでは、社労士のところによく持ち込まれる管理職の悩みをピックアップ。
人事にも把握しておいてほしい、解決方法を紹介していきます。
今月のお悩み 定着率を上げたい
ここのところ景気後退説が取り沙汰されているが、一時に比べれば景況は改善傾向にある(2014 年11月現在)。そのせいか、人材流出による人手不足に悩む企業もあるという。人事担当者の話によれば、当社でも以前より採用が難しくなってきているらしい。今後、社員の定着率を上げていかなければとは思うのだが、今さら飲みニケーションで親睦を深めるような時代でもなく、最近の若い人たちにどう働きかければいいのかわからない。若年層に長く働き続けてもらうためにはどうすればいいのだろう。
離職率は近年、低下傾向に
厚生労働省の雇用動向調査によれば、平成24 年の一般労働者の離職率は11.5%、パートタイム労働者の離職率は25.1%となっています。平成14年の一般労働者離職率は14.2%、パートタイム労働者の離職率は26.4%ですので、若干ではありますが低下傾向にあります。転職支援や人材派遣サービスなどの広がりと同時に、終身雇用制度が崩壊していったのはネットバブルの頃までの話。景気がよくないと安定した仕事を求めたくなる労働者の心理もあり、近年、雇用の流動化は落ち着きつつあるようです。また、業界や年齢によっても離職率は異なります。自社の離職率が業界の平均値や競合企業と比べ特に高くなければ、職場の雰囲気や待遇に問題があるのでは、などと心配する必要はないでしょう。