負けないマネジャーのための孫子 第4回 組織の力を育む平時の心得
マネジャーが平時から行っておくべきマネジメントのあり方とは。権力行使やルール厳格化では、決して思い通りの組織にはなりません。
普段からの人心掌握
『孫子』は兵書であり、負けないために、いかに守り、いかに攻めるかを実戦に基づいて説いたバイブルです。そのため、戦いのハウツーに注目しがちですが、平時における軍隊のマネジメントの重要性を明に暗に説いています。
自軍にせよ敵軍にせよ、状況を判断し行動するのは、さまざまな感情を持つ人間の集まりです。基本は人をどう取り扱うか、つまり組織の部下をどう掌握し動かすかにあります。これは営利・非営利に関係なくあらゆる組織に共通している基本でしょう。
なかでも今月の教え(右上)は、いざという時のために、平時に何をしておくべきかを説いたものです。
「道を修めて」の「道」とは、組織において行うべき基準のことで、企業における経営理念や行動規範に相当します。リーダーはそれを「修めて」、自ら実践したうえで組織のメンバーにも要求していく必要があります。
「法を保つ」の「法」は、社則やコンプライアンスにあたります。