グローバルビジネスに役立つ教養の本棚 第2回 教養の役立ち方、徹底検証
教養はビジネスにどう役立つか?――深掘りすると2つ見えてくる。1つは、グローバルビジネス推進のために必要な異文化理解。もう1つは、自分を確立し、柔軟で知性的な行動をとれるようになることである。
ビジネスへの役立ちは2つある
前回、グローバル人材の育成を考えるうえで歴史・宗教・哲学といった「教養」が大事であることを指摘しました。さらに、「教養」は仕事に役立つ、ということがあまりにも漠然と語られ過ぎているのではないか?
との問題提起をしました。今回はこの点について掘り下げます。
教養のビジネスへの「役立ち」は、大きく2つに分けることができます。1つは、「実務的にすぐに役立つ」というもの、もう1つは、「知性的心構えをつくる」というものです。「実務的に役立つ」ほうから説明します。
基本的なことですが、異文化をバックグラウンドに持つ方と話をしたり、ビジネスをしたりする際、相手の文化を理解する最低限の教養がなければ、基本的な信頼関係の形成や業務推進に支障をきたすことすらあるでしょう。特に、文化的なところからくる、禁忌や不浄の概念を理解することは、必須です。