連載 人事の職場拝見! Vol.16 クラレ 世の中にない製品を生み出すために「自立した自律型人材」を育成する
「ミラバケッソ」のキャッチフレーズで知られる化学品メーカー、クラレ。「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」という価値観のもと、独自の技術力で世界ナンバーワン、オンリーワンの製品を生み出してきた。その背景にある育成の考え方や施策について、同社人事部に話を聞いた。
良き市民であること
「当社が求める人材は、まず前提としてクリーン、公正かつオープンであることです」と話すのは、人事部長の松井茂氏。クラレは、世の中にないものを創出し、社会に貢献することを使命としている。そのためには、個々の社員が良き市民であることが不可欠。代表取締役社長の伊藤文大氏も「経営者も社員も、市民として求められる義務と責任を真剣に考え行動していく必要がある」というメッセージを社内に発信している。
そのうえで、松井氏が人事部の目標として考えているのが「自立した自律型人材」の育成だ。確固たる信念を持ちながら、会社の目標を自分の職務課題に落とし込み、そこで生じる問題を、当事者として責任を持って解決していく人材である。その育成のために、同社ではOJTを基本とした育成体系を構築している。
客観的なアドバイスをキャリア開発に活かす
同社の社員はECコース(主に会社基幹業務に携わる人材)とFLコース(主に事業所で業務を着実に遂行し事業を支える人材)に分かれており、各コースに応じた育成体系が整備されている。