新潮流コラム 3 ドラムサークル リズムを刻みながら個性と和を体感する
大切なことは、言葉だけではなかなか伝えられないもの。だが、ノンバーバルな表現手段なら、伝えられることもある。「 自律型人材であること」「和を重んじること」。身をもってそれらを体験できるのが“ドラムサークル”だ。米国で生まれたこのプログラムが、今、あちこちの企業でチームビルディングに用いられているという。その具体的な内容を取材してみた。
「リズムを刻むうちに“タガ”が外れる」
「閉ざされていた心の扉が開く」「協調性が生まれる」「自己表現できる」――参加者全員が輪(サークル)になり、アフリカンドラムや民族打楽器、多種多様なパーカッションを使って、即興のアンサンブルを楽しむ「ドラムサークル」。
ドラムサークルの目的は、聴衆の前で演奏することではない。めざすのは参加者の個性の発露や、みんなの心の調和だ。したがって練習は不要。間違いや失敗は調和を生むきっかけにもなる。また、ピアノやギターなどと違い、パーカッションは叩けば誰でも音が出せる。演奏経験や技術もいらず、誰でも気軽に参加できるのが魅力だ。
サークル全体をリードするのは、ファシリテーターと呼ばれるガイド役。みんなが楽しく演奏できるよう、リズムを通して全員がコミュニケーションをとれるよう手助けする。