特集 日本企業の強みを取り戻す組織活性化で会社を元気に
グローバルでの激しい環境変化の中、組織はその力を真に活かさなければ、勝ち残ることができない。どうしたら、真に組織の力を引き出し活き活きとした組織をつくることができるのか。経営理念を踏まえた組織文化、風通しのいいコミュニケーション、挑戦を後押しするポジティブな風土、それらを支える仕組みや制度など、求められることは多岐にわたる。本特集では、新しい手法も取り入れながら、活き活きとする組織をつくるためのカギを紹介する。
真に組織の力を引き出し活き活きとした組織をつくる編集部
組織活性化でグローバルに勝つ
グローバル化やインターネットの台頭により、経営環境の変化は激しさを増している。日本とは異なる社会制度、文化・価値観を持つ国々でのビジネスに組織として素早く対応し、強みをもってグローバル企業と競合していかなければならない。さらに従業員の働きがいを維持・向上することが持続的な成長を実現する企業であるためには欠かせない。
一方、インターネットは、情報を爆発的に増やし、変化に加速をつけた。Opinion1の髙木晴夫氏(慶應義塾大学 大学院経営管理研究科教授)が指摘するように、インターネットは成功も失敗もあっという間に引き起こす。
このように環境変化が厳しくなる一方で、日本企業の中では、従来の強みであった組織力が発揮できなくなっている(図表1)。部門間のコミュニケーションに課題を抱えている企業が半数以上にのぼるのだ。
それでは、どうしたらグローバルな市場環境の中で組織は勝ち残り、継続して存在することができるのか?そして組織で働く人が活き活きと仕事をすることができるのか? 組織の力を真に活かしていくことが今、求められている。それが組織活性化である。
組織を活かす組織のあり方とは
組織活性化と一口にいっても多様な見方と手法がある。組織のあり方そのものから組織活性化を解説したのは、髙木晴夫氏である。
髙木氏は、組織活性化とは①洞察力、②判断力、③実行力の3つから構成される「組織能力」を高めることだという。とりわけ日本企業が苦手とする①と②(世の中の動きを洞察して、意思決定して判断を下す能力)を高めるためには、組織の構造から変えなければならないと指摘。