KEYWORD6 ゲーミフィケーション 管理職も一般社員も。 誰でも仕事をもっと楽しく
昨今聞かれるようになってきた言葉の1つに、「ゲーミフィケーション」がある。ゲームを何かに応用する、ということだが、教育の世界にゲームを応用するとはどういうことを指し、どんな効果が期待されるのだろうか。日本企業の人材育成やマネジメントに「ゲーミフィケーション」を応用すべく起業した、安部一真氏に聞いた。
ゲームの楽しさが行動や意欲を引き出す
ゲーミフィケーションとは、簡単にいえば、ゲームの仕組みや楽しさなどの要素を、ゲーム以外のものに応用することだ。「何か成果を上げていくとレベルが上がる」「マニュアルを読まずに操作や利用ができる」「何かを達成した時に報酬が得られる」など、ゲームの分野では当たり前の、人を楽しませながら狙った行動を引き出す仕組みや考え方を意味する。
現在、積極的にゲーミフィケーションが活用されているのはウェブマーケティングの分野。企業のポータルの閲覧数や、ECサイトでの利用金額などに応じてポイントをもらえたりする仕組みにより、企業やECサイトへの利用者のロイヤルティを高めている。
米国では、「バッジビル」「ビッグドア」「バンチボール」の3 社がゲーミフィケーションのトップ3といわれており、日本では、「ゆめみ」と「ネットマイル」がこの分野の先駆的な企業として知られている。
ゲーミフィケーション11の要素
ゲーミフィケーションは、ここ数年の間に生まれた新しい概念で、導入も始まったばかりだ。そのため、定義も確立されているわけではないが、当社としては、以下の11項目をゲーミフィケーションの特徴と考えている。いずれにも、ドラッカーなど、多くの識者が昔から主張している、マネジメントや人材育成に必要とされる要素が含まれていることにお気づきいただけると思う。私は日本企業がこれらの要素をマネジメントや教育に取り入れることで、活力を取り戻せると考えている。
1. 入門教育
マニュアルを読まなくても、5歳児でもやってみれば、すぐできる。→わかりやすく教えているか。
2.ダイレクトフィードバック
経験値や点を稼いだら特徴的な音楽が鳴ったりと、何かいいことをした際、即座にほめられる。成果や評価がすぐに目に見える。→部下の成果、仕事をすぐ見たりほめたりしているか?
3. ルール
きちんとルールが設けられており、それに沿って進む。→ルールが明確。○○取締役は例外など、役職等によりルールが異なるといったことがない。