人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第4回 「ショーシャンクの空に」
「ショーシャンクの空に」
1994(平成6)年 監督:フランク・ダラボン
『ショーシャンクの空に』は1994年の公開時、興行的には赤字だった。当時から佳作だという声があったが、何しろ刑務所を舞台にした物語である。それが次第に評価を上げ、今や有名人も名前を挙げる人気作の1つとなっている。その背景には恐らく、この20年における雇用情勢と、日本人の生き方の変化がある。今回改めて鑑賞してみて、私はこの点を強く感じた。
若くして銀行の副頭取となったアンディー・デュフレーン(ティム・ロビンス)は、身に覚えのない殺人罪で終身刑になる。収監されたのはショーシャンク刑務所だ。そこは腐敗した所長のもと、看守が暴力を振るい、リンチや性暴力が横行する異常な空間だった。この映画が社会にもたらした大きな貢献は、無意識のうちに人権についての問題意識を喚起したことだろう。
さて、アンディーは刑務所の悪弊に悩まされながらも、調達屋と呼ばれている長老格の服役囚レッド(モーガン・フリーマン)と出会い、交流を重ねていく。そして次第に、自分なりの行動様式を確立していくのである。