連載 人事の職場拝見! 第25回 アルプス電気
個の意欲と可能性に賭ける教育理念の原点回帰と継承国内トップクラスの電子部品メーカー、アルプス電気。同社には“アルプスイズム”と呼ばれる「Work Hard, Study Hard, Play Hard(よく働き、よく学び、よく遊べ)」の精神が息づく。アルプスイズムを通じ、社員の個性を可能性に変える人財育成の根幹に迫った。
創業の精神“人に賭ける”その原点へ帰る
海外売上比率74%、国内外94 社のグループ会社を持ち、社員数3万6000人を誇るグローバル企業、アルプス電気。そのスタートは1948 年、従業員23 名の小さな町工場だった。
躍進を支えたのは同社の理念“人に賭ける”だ。人事部部長の今井正志氏はこう語る。「 “人に賭ける”とは、創業者・片岡勝太郎の創業の精神。何をするにも“人”が基本だと考えています」
そんなアルプス電気が今、取り組んでいるのが、“原点へ帰る”をキーワードとした社員教育である。
時代の変遷とともに組織は拡大し、国籍も多様化。ともすれば成果主義にはしり、“人”を基本とするアルプスイズムが色褪せていないか……。そうした懸念から、創業者が大切にしてきたものをもう一度見直そうと考えたのだ。
アルプス電気が社員に求めるのは、強い意志と行動力である。本人が何をしたいか、どうなりたいか、そして、それをやり遂げる力を持つ人こそ、望む人財、理念に適った人財だという。