JMAM 通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告 オーテック 学び行動する管理者を育てた四半世紀にわたる自己啓発
1934年の創業以来、78年間にわたり管工機材の販売および空調設備の制御をはじめ、各種設備機器の制御・監視・管理を手がけてきたオーテック。
ひたむきで堅実な経営姿勢は、人材の育成にも反映され、“学び”の精神が社員に受け継がれている。
24年前に通信教育を導入し、累計受講者数は約6000人に及ぶ。
高い受講率と修了率を下支えするのは、自らも長年通信教育で学んできた管理職だ。
「受講するのが当たり前」。社員の間には、ごく自然に“学び”が存在している。
「信頼・進取・創意」を軸に人材を育成
オーテックは、建物インフラである配管資材・バルブ・住宅設備機器を供給する「管材事業部門」、空調設備の制御をはじめ各種設備機器の制御・監視・管理を行う「システム事業部門」、環境保全対応の機器を扱う「環境機器事業部門」の3事業を柱として、全国26カ所に事業所を展開している。
同社の前身は、1934年創業の大石商店。当時は管工機材のみを販売する個人商店だった。1948年に大石商事株式会社に改組。その後、建物設備の自動制御工事を開始し、それに伴い事業を全国へ拡大していった。1989年には商号をオーテックに変更。この第2の創業を機に、企業としての方向性を明確にすべく、新たに経営理念「信頼・進取・創意」を掲げた。
「信頼」:顧客と会社、経営者と従業員の相互信頼を築き、よりよいサービスを通じて社会に貢献する。
「進取」:常に進取の精神をもって未来をひらき、技術力を高めて時代の変化に対応する。
「創意」:創意と工夫により会社の発展をめざし、生きがいのある生活の向上を図る。
この経営理念を実現する要となるのが、人材育成である。
技術者だからこそ社会人としての教育を重視
オーテックでは、1989年に社名を変更した際、同時に通信教育による自己啓発制度を導入した。その理由について、総務部部長の種田啓史氏はこう話す。「当社の従業員は4分の3が技術部門に属していますが、システムや施工のことばかり知っていればよいわけではありません。技術的なことは業務を通じても学べますが、それ以外の部分をどう教育するか。社会人としての教育こそ大切にしたいという思いが社風として昔から強くあります」