環境変化に対応する企業を持続的成長に導く 組織開発の視点
「組織開発」と聞いてそれがどんなものか、一瞬にしてそれが何かイメージできる人はいるだろうか。
その定義は、日本でも海外でもさまざまである。本特集は、そんな多様な組織開発に対する考え方のバリエーションや、考える切り口を提供するものである。
独自の「組織開発」を考えるヒント編集部
今、改めて「組織開発」を考える
日本でも昨今、「組織開発」が注目されている。欧米、特に米国企業には伝統的に、人事部門とは別にOD(Organization Development)部門が設けられてきたが、日本企業にはほとんど見受けられない。その理由には、さまざまな文化的背景を持つ人材が集まる欧米では、“わざわざ組織開発”を行わなければ組織らしい組織ができなかったが、日本では何もせずとも組織として機能したためだという見解がある*1。
しかし、昨今の日本企業は、“何もせずとも組織として機能”しているといえるだろうか。
隣の部署とのコミュニケーションや、世代間ギャップに苦悩するような声も聞かれる。また、外国人材などの受入れが待ち受け、女性活躍やダイバーシティマネジメントの必要性が声高に訴えられてきていることを考えれば、答えは明白だ。また現状、日本で「組織開発」というと、飲み会からワールドカフェ、さらにはクロスファンクショナルチームまでが一緒に括られている。
本特集は、そうした組織開発の多様な見方を改めて紹介し、今後ますます重要になってくるであろう組織開発に関する議論を行う土台をつくることをめざす。