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Investigation「若年技能系社員の育成・能力開発に関する調査」結果発表約7割の企業が、「育成・能力開発は企業の責任」と回答●労働政策研究・研修機構
労働政策研究・研修機構は、従業員30名以上の製造業1万社の民間企業を対象に『若年技能系社員の育成・能力開発に関する調査』を実施した。同調査は、ものづくりにおける人材育成をめぐる課題を明らかにすることを目的に実施されたもの。有効回収数は3229件で、有効回収率は32.3%だった。新卒で職場に入ってから「一人前」になるまでの期間について尋ねたところ「3年以上~5年未満」が34.9%、「5年以上~10年未満」が33.7%となり、「3年未満」(16.3%)、「10年以上~15年未満」(11.3%)となった。職場で若年者の育成を担っている人材については「直属の上司」が37.5%と最も多く、次いで「ベテランの技能系正社員」(30.9%)、「歳の近い技能系正社員」(13.0%)となった。若年層の育成・能力開発を担う管理者、監督者に対しての取り組みについて(複数回答)は、「管理者・監督者に部下の育成計画を立てさせる」33.1%、「部下の教育・管理に関する研修」(26.2%)、「部下の教育に関する項目を管理者・監督者の評価項目とする」が19.6%となった。また、若年技能系社員の育成・能力開発がうまくいっているかどうかについては「ある程度うまくいっている」が61.8%と過半数で、「うまくいっている」(4.4%)をあわせると66.2%の企業が「良好」と評価していることがわかった。規模が大きいほど育成・能力開発が「良好」という割合が高く、1000人以上の企業では「良好」が91.7%、「うまくいっていない」は8.3%と少数派だった。「うまくいっていない」と回答した企業に複数回答で理由を聞いたところ「育成を担う中堅層の従業員が不足している」が58.9%、「ノウハウ不足」が44.6%となった。今後の能力開発の責任の所在については、「企業の責任」「企業の責任で進めるに近い」の合計が72.8%と目立って高く、「個々人の責任」を大きく上回る結果となった。これは、あらゆる規模による差はなく、共通した傾向となっている。
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