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「ものづくり現場の中核を担う技術者の育成の現状と課題に関する調査」中核的技術者の育成がうまくいっていない企業は約6割
●労働政策研究・研修機構
労働政策研究・研修機構は、『ものづくり現場の中核を担う技術者の育成の現状と課題に関する調査』を実施した。同調査は、30 人以上の製造業の企業10,000 社を対象にしたもの。調査期間は2011 年11 月22 日~ 12 月2 日、有効回収数は2635 社だった。「 中核的技術者」には、仕事を「一人前」にこなせることに加えて、どのようなことが最も求められるかを尋ねたところ、全体では「製造現場のリーダーとして、ラインの監督業務や、部下・後輩の指導を担当できること」が突出して高く、51.0%に達した。次いで「製造現場において、多くの機械を受け持つ、複数の工程を担当できる」が17.8%、「設計設備・改造や冶工具などを含めた生産工程全般にわたる作業を担当したり、試作・開発・設計に参加できること」(15.0%)は1割台にとどまった。
また、「中核的技術者」に求められる技術・技能分野の知識・ノウハウを複数回答で尋ねたところ、「品質管理に関するもの」(79.3%)が最も多く、次いで、「生産ラインの合理化・改善に関するもの」(68.4%)、「設備の保全や改善のためのもの」(58.5%)の順となった。中核的技術者の育成がうまくいっているかどうかを聞いたところ、「うまくいっている」は39.8%で、「うまくいっていない」は、60.2%となり、「うまくいっている」を20 ポイントも上回る結果となった。うまくいっていると答えた要因として最も多かったのが(複数回答)、「技能系正社員の定着状況が良好だから」(53.5%)、次いで「適切な時期にリーダー的な役割を担わせているから」(40.8%)となった。一方、うまくいっていない要因として最も多かったのが(複数回答)、「育成を担う従業員が不足しているから」(56.4%)、「効果的に教育訓練を行うためのノウハウが不足しているから」(39.4%)となった。
その他、自社の中核的技能者の人数が適正かどうかを聞いたところ「適正」は39.2%だったのに対し、「不足」は60.8%となり、人材不足を感じている企業が多いことがわかった。
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独立行政法人労働政策研究・研修機構
TEL:03-5903-6283