連載 グローバルビジネスに役立つ教養の本棚 第7回 哲学を学ぶ 「 西洋哲学」西洋人の思考を理解する
哲学は過去の遺物ではない。一見遠く感じるが、現在にも確かに影響している。たとえば、西洋の哲学者たちが考えたこと??三権分立や基本的人権などがそうだ。そして西洋哲学を知ることは、西洋人を理解し相互理解を進めるうえでも大いに役立つのである。
哲学は実益につながるか?
突然ですが、次の言葉、どのような人が語ったものだと思いますか?『わたしはどうも「哲学」というものを肯定的なものとして受け取ることができないのです。社会生活ではなんの役にも立たない、これは認めなければいけないと思います』
実務を重んじるビジネスパーソンの発言、として紹介されておかしくない印象の言葉ですが、実はこれは、日本を代表する哲学研究者の一人、木田元氏が80 歳近くになって出版した本の冒頭に出てくる言葉です。(木田元『反哲学入門』p.17より引用)
哲学研究を極めた大家の言葉ですから単純に額面通りに受け取って良いわけではないでしょうし、本書ではこの言葉の後に「それでも哲学を考えざるを得ない人間がいる」という趣旨の論述が続いています。