連載 人事の職場拝見! Vol.7 ベリサーブ 高い技術とマネジメント力のあるプロ集団をつくりあげる
2001 年にソフトウェア製品の検証サービスを提供する企業として設立されたベリサーブ。同社の歴史は、1983 年にCSK の一部門としてソフトウェアテスト業務を受託したことに始まる。早い人では20 代後半から“小さな経営者”としての活躍が求められるという、同社の人材育成にかける思いを伺った。
高い技術力は高いマネジメント力から
ソフトウェアの検証、セキュリティ検証の事業を手がけるベリサーブ。業務上、高度な知識・技術が求められる同社では、「企業の一番の資産は“技術者”である」との考えのもと“人材”を“人財”とし、日々人づくりに力を注いでいる。そうした同社がめざすのが、顧客から満足してもらえる高い技術と対応力のある人財を育成すること。管理本部採用・教育統括部統括部長の福井正宏氏は、人づくりでの目標を次のように話す。「 製品の検証サービスを専門的に行う以上、高度な検証技術が顧客から求められるのは当然ですが、組織である以上、マネジメント力も技術と同じぐらい必要になります。そのため、中間層のリーダークラスを中心としたマネジメント力強化にも力を入れたいと考えています」(福井氏、以下同)
リーダーに求めるのは経営者の視点
優れた技術を持っている人が、優れたリーダーシップを発揮できるとは限らない。同社は、全国各地に拠点を構えており、分室が多数存在している。分室をとりまとめる室長は、自身の部下だけでなく外部のビジネスパートナー、顧客などを意識した“小さな経営者”の視点に立ったマネジメント能力が求められてくる。「 早い人は20代後半には室長に抜擢されます。室長には、1つの会社を経営するという意識で仕事に臨んでもらいます。そして将来的には複数の分室や各種業界を束ねる“事業体”の責任者として活躍することが求められます。高度な技術力をつけることは当然ですが、そうした広い視野で物事を捉えメンバー、パートナー、顧客に対応する能力が必要だというのが当社の考えです」
また、2006年に新卒採用をスタートさせた同社では、次第に生粋の“ベリサーブマン”として育ってきた世代のマネジメント力の強化も育成でのテーマになりつつある。