連載 ID designer Yoshikoが行く 第 51回 モバイルが起こすラーニングの革命!
はるばる来ましたオーランド!抜けるようなフロリダの青空、木陰に流れるカリビアン・ミュージック――ちょっと早めのバカンスとカン違いしちゃいそうな全米屈指のリゾートで、5月22日から開かれたのがASTD 2011 ICE(米国人材開発機構国際カンファレンス&エクスポ)だ。世界中から集まった8500人の人材教育のプロたちと、よく学びよく遊んだ4日間のハイライトをご紹介しよう。
ガラッと変わったASTDのスタイルとは
「m(モバイル)ラーニングが、ライフスタイルを変える!」とジェネラルセッションのオープニングで高らかに宣言したのは、ASTDのプリンス、いやプレジデントのトニー・ビンガム。今や世界で50億人が携帯電話を使い、スマートフォン、タブレットPCなど多彩なモバイル・デバイスのユーザも爆発的に伸びている。もちろんそれと比例して、人材育成のツールとしてモバイルを使う場面も増えてきたが、「しかしアイナット、であることを忘れていけない」とトニー。
ん?アイナット?こっそり隣のサウジアラビアのインストラクショナルデザイナーを見ると、「It’s Not About the Technology(テクノロジーの問題ではない)の略語だよ」
ふーん?じゃ、なんの問題?「ラーニングとパフォーマンスのカタチを全く変えてしまう、人材育成におけるイノベーションの問題なのだ!」(トニー)
例年ならば、「そうかもね~」とうなずくだけで終わったかもしれないが、今年はちょっと違った。ASTDのスタイルそのものが、本当に全く変わっていたのだ。
昨年までのスタイルはといえば、分厚くて重い講演プログラムに付箋を張りまくり、ノートに必死でメモを取り、講師と名刺交換をして、一日が暮れると、資料やパンフで身動きできないほど荷物が増えたもの。足腰の強いものが最後に勝つ!