今月のNEWS
楽天「社内英語公用語化」完全実施を前に、三木谷社長が会見英語を話し、日本のコミュニティをオープンに
●楽天
2012 年6 月29 日、楽天 代表取締役兼社長の三木谷浩史氏が、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見を行った。テーマは、2010 年から着手し、2012 年7 月2 日から完全実施となる社内英語公用語化。三木谷氏自身が英語化について公の場でコメントするのは初めて。会場は200 名以上が集まり、半分以上が外国人記者で占められた。会見、質疑応答ともに三木谷氏は流暢な英語で通した。
三木谷氏は、英語化を決定した理由として、「世界ナンバーワン企業」をめざしていること、国籍問わず優秀な人材を採用すること、インターネットビジネスでは世界中の情報にアクセスすることが重要であること、海外で買収した企業が孤立するのを防ぎ、日本本社とのコミュニケーションを良好にすること、などを挙げた。
英語化の道のりは平坦ではなかったが、英語学習の無料クラスを用意するなどの工夫を行った結果、社内のTOEIC 平均点は、この2 年で526.2 点から694.7 点と、200 点近く上昇。通訳なしでほとんどの社員は自己表現ができるようになったという。
当初、社内では英語化に戸惑う声も聞かれた。それでも英語化を断行した理由として、インド人や中国人が2 ~ 3 カ月で日本語を習得する姿を見たことで背中を押され、日本人にできないはずがないと考えたと三木谷氏は振り返った。
さらに楽天が先陣を切って社内英語公用語化を行うことで、日本企業の目を覚まし日本のコミュニティをオープンにしたい、ロールモデルになりたいという抱負も語られた。
質疑応答では、外国人記者を中心に「資産はいくら?」などの遠慮のない質問が次々飛び出し、三木谷氏がユーモアを交えて回答。会場は何度も笑いで包まれ、オープンな雰囲気となった。「 英語化による業務の非効率はないのか?」という問いには、「業務はルーティンが多いため、業務を行うために必要な英語は少ない。そのためそこまで大変ではない。一時的に生産性は落ちるが、その後の効率を考えれば、悪いわけではない」と回答。「英語化により、日本企業の良さが失われることはないのか」という質問には、「英語で業務を行うことで、日本文化が失われることはない。むしろ、英語を話せることで、日本文化が注目される。そして、世界に輸出していくことが可能になるだろう」と語った。
問い合わせ
楽天株式会社
TEL:03-6387-1111