連載 人事の職場拝見! Vol.20 コクヨ グローバル化に備え、グループ各社の制度を統一 「第3の創業期」を全力で支援
ステーショナリーやオフィスファニチャーのメーカーであるコクヨ。創業100 年を超える老舗企業が今、変革期を迎えている。「紙製品」で創業後、1960 年代に第二の創業として「スチール家具」進出を果たし、現在は海外進出のためのグローバル化を推進中だ。このように経営環境が変化する中、人財開発部ではグループを上げて人事制度の改定や新たな人材育成戦略に取り組んでいる。
アジア各国で“地産地消”実現へ
「商品を通じて世の中の役に立つ」。コクヨの企業理念だ。この言葉が今まさに世界へ広がろうとしている。
コクヨではこれまでも海外生産は行っていたが、それはあくまでも日本向けの生産。これからは“現地で生産、現地で販売”の地産地消をめざすことになった。狙いは中国、インド、ベトナムなどアジアが中心。このグローバル戦略により、人事面でも大きな変化が起きている。人財開発部部長の梶野嘉毅氏はこう語る。「海外ビジネスの拡大で、多くの社員が新たな舞台や仕事にチャレンジすることになります。その時、グループ各社で異なる人事制度が障害にならぬよう統一を急いでいます」
コクヨは7年前に分社化を進め、それ以降各社の事業特性に合わせて少しずつ人事制度が変化してきた。しかし、全社一丸でグローバル化を進めるため、改めて制度を統一する作業を進めている。すでに管理職は2011年完了。2013年4月にはグループ全体が一つの制度に統一される。
また、グローバル化に向けた人材育成もスタート。事業会社の役員ポストを担える人材を計画的に輩出するための次世代リーダー育成だ。「私たちが期待する人材像は、アジア分母で全体利益を考え、自立的に課題解決のために行動を起こせる社員。海外でも自ら判断していける社員を育てたいと考えています」