HRD JAPAN2012開催迫る! 強みを築く! ~個性がつながり一体感ある組織へ~
9月11日~14日の4日間、アジア最大級のHRDカンファレンス「HRD JAPAN2012」が、品川プリンスホテル・アネックスタワーで開催される。32回目となる今回のテーマは、「強みを築く! ~個性がつながり一体感ある組織へ~」。グローバルな競争が激しくなる中、日本企業の存在感は、年々弱まっている。こうした危機的状況を脱し、“強い組織”として日本企業が復活するためには、今、何が必要なのか。本大会に込められたメッセージについて、大会企画委員長の花田光世氏が、セッションの背景にある人事の課題を東京理科大学の西村孝史氏が語る。
強さの元を磨き直し、新しい環境を勝ち抜く組織を
花田 光世 氏
慶應義塾大学 教授/HRD JAPAN企画委員長
“過去に築いた強さ”が通じる時代は終わった
グローバル化が進む中、日本の企業の競争力が低下している。かつて日本企業の強みが、今や世界では通用しにくくなってきている。世界で勝ち残るために、強さの再構築が、日本企業にとり喫緊の課題となっている。
今回の「HRD JAPAN2012」では、「強みを築き、勝つ! ~個性がつながり一体感ある組織へ」をテーマに掲げたが、ここでいう「強みを築き、勝つ!」とは、日本が強かった時代の組織を復活させるという意味ではない。強みの原点に立ち返り、それを新しい文脈の中で磨き直すということだ。
日本企業を巡る環境は、周知の通り変化しており、組織や仕組みの再構築が必要になっている。たとえばグローバル化。数年前まで「グローバル化」といえば、実質的には“中国進出”を意味していた。中国に生産拠点を置き、そこから世界に向けて製品を輸出するというのが、これまでのグローバル展開の中身だった。
人件費の安さを求めた海外進出では、日本の優れた生産・技術のノウハウを積極的に現地に移転し、組織や人事の仕組みもその移転に適したものであった。つまり、これまでの“グローバル化”という言葉には、「我々が持っている強みを海外にも拡げる」という意味合いがあった。
しかし、ここ数年、状況は変わりつつある。
人件費の安さがウリだった中国進出も、人件費が上昇し、一方で経済成長に伴い、市場としての注目度が高まってきた。そのため最近は生産拠点というより、拡大する市場を獲得するために中国へ進出する企業が増えている。
また、海外に進出する目的も、たとえばベトナムなら産業インフラづくり、という具合に多様化しており、特に最近は、我々に不足している活動やノウハウを補完するため、あるいは、我々にないものを得るために海外に進出するケースが増えている。加えて進出先も、欧米や新興国を含めてさまざまな国に拡がっている。
こうした状況になると、もはや“我々の強みを拡げる”という発想ではなく、“自分たちに不足するものを海外から吸収する”という姿勢が必要になってくる。
これを受けて考えれば、「強みを築く」ということは、その企業がめざす方向性と照らし合わせ、最も成果が出せるように、日本企業が持っていた強みの活用方法をゼロベースで検討し直す、ということになる。
その際に重要になるのが、“個の自律”という考え方だ。