連載 人事の職場拝見! Vol.21 日東電工 目的はグローバル化と競争力アップビジネスを学ぶ“アカデミー”を開校
シートやフィルム製品など約1 万3500 種類もの部材を供給する日東電工。近年は海外売り上げ比率が急伸し、社員のグローバル化や競争力アップを支える人材の育成が急がれている。今年に入り、リーダーシップ研修も大幅にリニューアル。変革期を支える人財統括部を紹介する。
4階層のアカデミーを世界中で実施へ
機能の付加によりさまざまに利用されるシートやフィルム。日東電工の部材は液晶テレビやスマートフォン、自動車、医薬品など幅広く利用される。
用途拡大とともに、ここ10年ほどで海外売り上げ比率が30%から約70%へ急伸。グループ会社も世界28の国と地域に広がり、一気にグローバル化が進んだ。この変革期に、2000年に「日東ユニバーシティ」として始まったリーダーシップ研修を今年リニューアル。人財統括部グローバル教育センター長の桂常敦氏は語る。「修了生から多くの役員が輩出されましたが、日本語だけのリーダーシップ研修は会社の実情に沿わなくなっていました。今回からは4階層のうち、上位2階層は英語で行い、開催場所もシンガポール、上海等、世界各地で実施するようにしました」
新たに始まった研修「グローバルビジネスアカデミー」は、上位から役員候補向けの「エグゼクティブコース」、アッパーミドル層向けの「アドバンスドコース」、ミドル向けの「ファンダメンタルコース」、若手中心の「チャレンジコース」の4つだ。
ケーススタディを自ら「つくる」研修
「チャレンジコース」への参加は自薦のみ。社内から多くの申し込みがある。人気の秘密は実践的でビジネスにすぐ活かせる研修内容だ。「たとえば、ケーススタディ学習でもケースを聞くのではなく、受講生がつくっていきます。私たちが過去のエポックメイキングな出来事を与え、なぜそのようなことが実現できたかを取材するのです」