おわりに 「生きがい」に通じる「働きがい」
「働きがい」を高めるためには、さまざまな方法がある。特集の取材を通じて、繰り返し出てきたキーワードをもとに「働きがい」を高めるために外せないポイントを最後に紹介する。
「働きがい」は、目に見えない、抽象的なものだ。そういうものを求めたり、提供しようとしたりすることは、当然ながら難しい。さまざまなやり方があるが、ここでは本特集から明らかになった、外してはいけないポイントを振り返ってみよう。
本特集の冒頭「はじめに」で、「仕事を通じて、何を感じたいですか?」と問いを出した。この質問で大切なのは、人によって回答が違うということだ。たとえば、あなたが達成感を求めていても、あなたの部下はプライベートの充実を求めているかもしれない。その違いがわからなければ、あなたが部下に「達成感を与えよう」とすればするほど、部下は疲弊する。ダイバーシティを真に理解したうえで対話することが重要なのだ。
→opinion2中土井氏(P.38)
だが、いくら人によって働きがいが異なるといっても、共通点もある。それが、「貢献感」である。 顧客や仲間から、ありがとうといわれる、自分が社会の役に立っていると感じる、こうしたことは多くの人にとって働く喜びにつながる。「貢献感」への欲求は、3.11を機に顕在化し、今や企業が優秀人材を獲得するためには欠かせなくなっている。