新連載 ワンワード論語 第3 回 「過」
前回紹介したように、「信」をめざして、「言」「行」を自分なりに頑張ったつもりでも、思い通りに運ばず、「過(あやまち)」に至ってしまうことがあります。この「過」にどう取り組み、ビジネスや人生にどう活かしていけばいいのか、どうすれば「過」を減らせるのかを学んでいきましょう。
誰もが、“やってしまった……”という経験をするもの。わざとでもなく、手を抜いたわけでもないのに、「過」は起きます。良かれと思った言動が周りに不快感を与えていたということもあるでしょう。私たちは、聖人君子ではありませんから、「過」を避けられません。
● 過ちはなぜ起こる?
これは昔も今も変わりません。ですから2500年前、孔子も弟子たちに「過」について多くのことを教えています。
「過」はなぜ起こるのか。それは、どう弁明しようとも、あなたの何かがおかしかったから。手抜かりなく問題なく進めていたつもりであっても、やはり何かがよろしくなかったのです。まずは、このことをしっかりと認識しましょう。これを認識できないと、「過」が起きても“なんであれ私のせいではない”と受け止める人になり、誰からも信用されなくなるのですから。
● “すぎる”と“あやまち”になる
さて、「過」という字は、本来“すぎる”と読みますが、なぜ“あやまち”とも読むのでしょうか。