組織の対話の量、質は 科学の力で測れる! 対話を可視化する「ビジネス顕微鏡」
対話の実態は目に見えない――そんな常識を覆す画期的なシステムがある。
最先端のセンサネット技術により、職場のダイレクトな
コミュニケーションを可視化する「ビジネス顕微鏡」である。
科学技術を駆使した顕微鏡が映し出す
「組織」と「対話」の関係について、開発者は語る。
人と組織の可視化にセンサネット技術を応用
人や組織に関する情報は、財務情報と同様、企業経営に関わる重要な情報である。ところが、これまで組織内のコミュニケーションや社員の業務活動の実態など、人事、組織マネジメントに関する情報は、定量的に把握することが難しいとされ、測定方法もアンケートや面接といった定性的なものに頼る他なく、客観的な経営情報としては重視されてこなかった。
しかし、弊社が開発した「ビジネス顕微鏡」という名刺サイズの装置が、組織内のダイレクトな対話を定量的に把握することを可能にした。
この装置には「センサネット」という新しい技術が応用されている。センサネット技術とは、複数のセンサ付き端末を散在させ、それらが自動的に収集した温度、湿度、照度、振動、脈拍などの情報をネットワーク経由で一元化し、空調・照明管理や食品衛生管理などに利用する技術。これを人と人とのコミュニケーションの実態把握に活用したのだ。
ビジネス顕微鏡を使って職場を覗くと見えてくるのは、人と人とが生き生きと対話する組織の姿である。
対話する組織の姿を組織全体で共有
まずは、このビジネス顕微鏡がどのようなものか説明したい。使い方は簡単で、身につけるだけ。出社と同時に、社員証ホルダーのような名札型センサネット端末を身につけ、業務を行う。この端末は、高性能の赤外線センサや三軸加速度センサ、音声センサ、通信デバイス等を搭載しており、それを身につけた本人の動きや、身につけた人同士のコミュニケーションのデータを自動的に測定。収集されたデータは、サーバに蓄積される。
集められたデータからはさまざまなことがわかる。赤外線センサのデータからは、誰と誰がどのくらい対面していたか、といった情報を読み取り、加速度センサからは、揺れ、動きなどを解析することで、行動の様子を把握。音声センサは声のトーンなどを感知する、といった具合だ。
これら複数のセンサデータを総合的に解析し、得られた結果は、人と人のつながりを表す組織ネットワーク図(図表1)や、個々の活動の記録(ライフログ)などとしてわかりやすく画像化され、オフィス内に設置された専用端末に表示される。