連載 グローバルビジネスに役立つ教養の本棚 最終回 再論、グローバル人材と「教養」
1年間にわたり、連載してきた本連載も最終回を迎える。グローバル人材に必要な教養とはいったい何だったのか?何のために資本主義を学び、歴史や宗教の書籍をひもとくのか。それは、自分を客観的に知り、相手との違いを自覚し、国の成り立ちと世界の動き方を知るためだ。自分と、自分が生きている世界に対する理解を深め、他者と対話をする準備を整える――そうした能動的な生き方のために教養がある。
語られない「教養」を具体化したい
1年間にわたった連載ですが今回で最終回となります。この連載を始める際、私はグローバル人材に関する議論について「語学力だけでなく教養も必要だ、という意見はよく聞くけれど、その教養が具体的に何かということがほとんど語られない」という問題意識を持っていました。
そこで本連載では教養という存在を宗教・哲学・思想などのいくつかのカテゴリーに分けて整理し、そのそれぞれについてビジネスパーソンの読みやすさという観点から入門書を計21冊紹介しました。教養として必要な全ての領域をカバーできているとは思いません。しかし、当初感じていた問題意識について、1つの具体的な提案はできたかと思います。