上司のきめ細やかな指導が 話す力・聞く力を育む
情報通信サービス関連の事業を展開する三菱電機情報ネットワーク。
同社のセキュリティ・プラットフォームサービス事業部では、
特に「聞く力」を向上するために、対話力を強化する研修を実施。
事前にアンケート、事後に部長自ら、部員に対するフィードバックを行うなど、
きめ細やかに教育の効果を上げる工夫を行っている。
きちんと顧客と対話する「聞く力」を育てるために
三菱電機情報ネットワークは、情報システムの構築から運用管理まで、一貫したアウトソーシングサービスを提供する企業だ。同社の7つの事業部の1つが、セキュリティ・プラットフォームサービス事業部(以下、SPD)。副事業部長、太田潔氏は若手の多い同事業部に、ここ1~2年で気になる点が出てきたという。「ここ数年、若手のジョブスキルやヒューマンスキルの低下が気になってきました。テクニカルスキルの研修だけでなく、仕事の基本を押さえる教育が必要だと実感するようになったのです」(太田氏、以下同)
太田氏の語るヒューマンスキルの課題は、具体的には「対話」。特に「聞く」ことに危機意識を持ったという。「研修の発表や顧客へのプレゼンテーションなど、人に話をする機会は弊社でも少なくありません。指導する側も、話し方については意識しているんです。ところが、『聞く』ことについては、残念ながら弱い傾向があります。顧客との対話はSPDの根幹を担う力です。一方的に自分のいいたいことをいうだけでなく、顧客ときちんと対話をして、ニーズや真意をつかむ能力が重要なのです」
同事業部では、対話力強化を目的に、ディベートを使った主張型説得力向上研修を実施。しかし、研修後の講師からの評価は、「さらに根本的に『聞く』『話す』力を見直す必要がある」という厳しいものだった。そこでコミュニケーションに特化した研修を入社4~5年目の層に対して行うことを決めた。