おわりに
自分事としてのグローバル化
本誌がグローバル人材育成をレギュラー特集に組み込んだ2011年から今年で3 年目になる。昨年、IMD学長のドミニク・テュルパン氏は、「今(2012 年9月号当時)が、日本がグローバル化するラストチャンス」だと本誌に寄稿した。
ラストチャンスに間に合ったのか、昨年から今年にかけて、大企業を中心にグローバル人材育成への大胆な動きが相次いで見られた。
大手商社3社はIMDやハーバードビジネススクールなどと組んで大規模な研修を実施し、ソニーはシンガポールに企業内大学を設置、経産省は企業の若手人材をアジアに派遣する制度を開始した。グローバル人材育成に対する本気度が見てとれる。
といっても、企業の取り組みはさまざまな段階にある。既にグローバル企業といえる企業と、グローバル化へ舵を切ったばかりの企業では育成する人材も異なる。
グローバル化の発展段階を次の4つ、①輸出の本格化、②海外生産拠点の設置、③経営の現地化、④各機能の分散と各国間の連携*、だとすると、④まで到達している日本企業は少ない。