ID designer Yoshikoが行く 第76回 クリエイティブな「美術館での学び」を体験!
芸術の秋である。美術館で名画を前に物想いにふけってみたい、そんなロマンの季節である。「ひとり静かに」は確かに絵になるけれど、今年はちょっと賑やかでクリエイティブな「美術館での学び」を楽しんでみませんか?えっ?そんなことしたら係の人が飛んできて、「シーっ!」って怒られちゃうんじゃないの?周りの人から白い目で見られて、いたたまれなくなっちゃうんじゃないの?そう心配するキモチ、わかります、わかります。実はこの私もそう思っていたんです、米国デンバーの美術館で「フリー・チョイス・ラーニングinミュージアム」に出会うまでは!Museum 2.0ともいわれるこの双方向的な美術館・博物館の楽しみ方、どこが面白く、なぜ今注目を集めているのか。まずは私がハマったMuseum 2.0体験を紹介しよう。
頼るべきは目と感性と好奇心
デンバー美術館はその斬新な建築と、充実したネイティブ・アメリカンの作品など幅広いコレクションでファンの多い美術館だ。そこに、デンバー近代美術館のディレクター、アダム・ラーナー氏に引率されて遠足気分でやって来た十数人は、インストラクショナルデザイナーや教師など、人材育成のプロ、学びの専門家を自称するオトナたちである。「さて、皆さん!」ネイティブ・アメリカンやアフリカン・アメリカンのコレクションが並ぶコーナーの入り口でアダムがそう声を張り上げた時、参加者は一斉にメモを取り出したりタブレットを開いたりして身構えたものだ。