CASE.1 VOYAGE GROUP 読む・書く・考える場づくり 社内図書館で思案し日報で振り返り、自分を表現
企業が常に新しい価値を生み出し続けるためには、人と人、人と会社、会社と会社をつなげる「ストーリー」が必要だと、VOYAGE GROUP代表取締役CEOの宇佐美進典氏は言う。同社でそのストーリーは、自由に読み書き考える場によって共有されている。ユニークな環境づくりと、そこで起きている学びを取材した。
●読んだり考えたりする環境社内にBarあり図書館あり!
まるで海賊船さながらのインテリアに照明の薄明かり――。
ここは、ポイントサイト「ECナビ」の開発・運営などで知られる、VOYAGE GROUPのコミュニティスペース。その名も社内Bar「AJITO」だ(下写真)。バーカウンターやテーブルが備えられており、18時30分以降は無料でアルコールも供されている。
ECナビの他、アドテクノロジー関連事業(リスティング広告の導入支援や広告配信など)や国内外でのオンラインリサーチ事業等を行う同グループ。スピーディに新規事業を展開し続けていくためには、イノベーションを生み出す共有知こそ、事業の原動力だ。そこで、代表取締役CEOの宇佐美進典氏が力を注ぐのは、一人ひとりが思考し、周囲と共感し、新しい価値を創造する「自由な場」づくりである。
「AJITOは2007年10月、グループ内のコミュニケーションスペースとしてつくりました。ですがそのうち、社員がそこで懇親会を行うようになりました。さらには、クライアントも招待したりして、勉強会やセミナーが開かれるようになっていきました。
先日もスマホ市場について社内外から人がお集まりになり、情報交換会が行われたんです」(宇佐美氏、以下同)部署やグループという枠にとらわれず、自在に広がり活発化していくネットワーク。AJITOは人々の思考やコラボレーションが自発的に生み出される場になっているのだ。
一方、「OASIS」と呼ばれる社内図書館(右上写真)は、社員にとって「一人になれる場」。高い天井から降り注ぐ陽射しや、無垢の木の床は、素の自分になって読書や思索、作業するのにぴったりだ。
蔵書は数千冊。ビジネス書や技術書だけでなく、宇佐美氏が寄贈したという漫画のコレクション、小説なども目立つ。