めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第7回 「経営学」は全てのビジネスに通じる
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
前号では空前のブームともいえる「統計学」を取り上げた。今回は全てのビジネスの礎となる「経営学」にフォーカスを当てる。経営学も統計学に負けず劣らず、今ビジネスパーソンが最も関心を持つ領域の1つだろう。経営学を学ぶ必要性は近年高まっている。業績を拡大している企業がどのような手法で成功しているのか、逆に業績苦戦の企業はどうか?「経営学」の視点から説明できる内容は多々ある。逆にこの視点がないと、これからのビジネスシーンや事業発展の構図を読み解くことはおそらくできないはずだ。こうした背景からか、最近は人事研修において、「経営学」をカリキュラムに組み込む企業や機関が増えていると聞く。当然の流れだと思う。今もなお、日本において絶大なる人気を誇るドラッカー本はもちろんのこと、ここにきて、どちらかといえば古典の部類に入るテイラーの科学的管理法がまた脚光を浴びるなど、書店店頭を見ていても興味の程は明らかだ。昨今のMBA本や「ハーバード」「スタンフォード」本の増加も間違いなくこの流れである。最近では、今年4月に発刊された三谷宏治氏の『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は“400ページを超えるビジネス書は売れない!”という業界のジンクスを破り、リアル書籍・電子書籍共にベストセラーとなっている。「経営学」を学ぶ方法は数あれど、ビジネスパーソンが仕事に活かすという観点からは以下の3つの方法が考えられる。1.特定の戦略のみならず、代表的な戦略をまとめている書籍を読む2.日本や世界のトップ経営者の書籍から学ぶ3.歴史小説から経営を学ぶ1.については、何事も広い視野で基本を押さえることが大事! ということである。まずは前述の『経営戦略全史』や『経営戦略論入門』(PHPビジネス新書)をお薦めしておく。2.については、ヤマト運輸の宅急便創始者である小倉昌男氏の『小倉昌男 経営学』(日経BP社)があまりにも有名だ。発刊から15年近くが経過した今でも語り草のように読み継がれている。