人事の職場拝見! 第40回 場の設定ときっかけの提供自主性の尊重で波及する学習意欲
SNSやブログ、各種アプリなど約40のインターネットサービスを月間2000万人に提供するGMOメディア。時流に乗ったコンテンツを生み出す同社では、“自主性に任せる”が育成のモットーだ。そこには自発的学びからチャレンジ精神や創造力を養うための、「あえて与えない」という仕掛けがある。
研修メニューをつくらず自主的な学びを促す
GMOメディアは、「誠実な心で挑戦を続け、インターネットメディアとして新たな価値を創造する人材」を理想に、「誠実・挑戦・創造」を“メンバー3元素”として掲げている。管理部 部長の石橋 正剛氏は、「あらゆる情報がオープンになるインターネットの世界で信頼を得るには、個人レベルの行動や仕事への取り組みも含めて、誠実であることが一番大事。新しい価値を提供するための挑戦や創造もその上に成り立つのです」と話す。そんなGMOメディアには、驚くことに研修カリキュラムがない。外部の提携教育機関が提供するメニューの中から、スタッフが学びたいものを自由に選び、参加している。さらに、独自に見つけてきた研修への参加も可能だ。「勉強すべきメニューを会社が与えてしまうと、スタッフは受け身になって思考を停止してしまいます。情報をつかみ取る能力や考える能力を奪うことは、挑戦や創造力を弱めることにもつながるのです」
成長したスタッフを評価し周囲の意識を高める
スタッフの高い自主性は、自主参加の研修だけでなく、スタッフが任意で開催する勉強会にも見られる。勉強会は社内に加え外部からも講師を呼び、3~4名から20~30名規模のものまで、多彩なテーマで毎日のように開かれている。イントラネットを使ってスタッフ同士で情報交換を行い、興味があれば誰でも自由に参加できる仕組みだ。