TOPIC 煩わしい行政手続が簡単・便利に 電子申請で可能な社会保険・労働保険分野の手続 煩わしい行政手続が簡単・便利に
政府は、電子政府の推進を掲げ、ICTを活用した行政情報化推進と利用者本位の行政サービスの提供をめざした取り組みを進めてきた。その取り組みの柱の1つとして開設されたポータルサイトが、総務省が運営する「電子政府の総合窓口」(e-Gov:イーガブ)だ。本稿は、企業の人事・労務担当者や社会保険労務士が行う社会保険・労働保険分野の手続の負担を軽減する電子申請の方法について紹介する。
煩わしい行政手続を電子申請で簡単・便利に
行政機関の窓口で行わなければならないさまざまな手続には、とかく煩わしさがつきまとう。行政機関が遠隔地にあったり、窓口が混雑したりしている時期などであればなおさらだ。しかし、電子申請であれば「いつでもどこでも」インターネットを使った手続が可能だ。しかも、手続の種類によっては電子申請のほうが手数料が安いものや、申請時に提出しなければならない書類(添付書類)の一部または全部の提出が不要、書面申請よりも事務処理のスピードが速い等、窓口での手続にはないメリットもある。このようなことから、現在、電子申請は、登記・供託手続、国税関連の税務手続、輸出入・港湾関連手続、特許など、さまざまな手続分野で普及している。
社会保険・労働保険分野で可能な電子申請は
行政機関の窓口へ赴いて手続をする煩わしさは、企業の人事・労務担当者や社会保険労務士の方々が行う社会保険・労働保険分野の手続においても例外ではない。特に毎年、3月から4月にかけては、従業員の退職や入社に伴い、雇用保険や健康保険・厚生年金保険等の被保険者資格取得・喪失手続等が発生する。また、6月から7月にかけては、労働保険の年度更新申告、健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届、健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届等の手続が発生するなど、企業の人事・労務担当者や社会保険労務士の方々にとっては1年で最も忙しいシーズンを迎え、窓口である年金事務所やハローワークなども大変混雑する。このような時に大きな助けになるのが電子申請だ。電子申請が可能な手続は、労働保険の年度更新申告、雇用保険被保険者資格取得届/喪失届、健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届など多岐にわたっており(図1)、企業の人事・労務担当者や社会保険労務士の方々が行う必要がある手続の多くをカバーしていると言ってよい。
「e-Gov」が電子申請の窓口
電子申請は、「電子政府の総合窓口 イーガブ(e-Gov)」から可能だ(www.e-gov.go.jp)(図2)。