現場の本音を聞く! 人事の声
ここまでOPINIONのさまざまな「楽しさ」への考え方を見てきた。だが、そうは言っても人材開発部門が「楽しさ」を取り入れるのは難しい。企業という場所で日々、人材開発に向き合っている人たちは、「楽しさ」に意味を見出し、重要視しているのか。そして、「楽しさ」をどのように捉えているのかを聞いた。
♪質問は次の3点♪
○「楽しさ」を研修・教育・組織開発で重視していますか? ○その理由は、なぜですか? ○「楽しさ」を取り入れたことで、効果はありますか?
社内で研修をデザインする時に「楽しさ」を特に意識してはいません。放送メディアという私たちの仕事は、一見すると「楽しそう」に見えるのですが、実際は苦しいことの連続です。その苦しさを乗り越えて番組を放送した時に得られる達成感は格別です。人材育成の過程でも、ややハードな(?)研修も含めて、楽しさは後からついてくるようにも思います。当社ではインプロ研修など、身体性のあるワークショップ型のプログラムも取り入れています。その中で楽しみながら、実はシビアで現実的なことを学んだりもしています。楽しさの中にシビアなものが、シビアなものの中に楽しさがある、という感じでしょうか。――TBSテレビ 人事労政局 人材開発部長 藤田 多恵 氏
研修における楽しさとは、知的好奇心を満たすような楽しさと、明るく楽しい雰囲気で受講できる楽しさという2種類あると思います。前者の楽しさは、講師側が受講者の“ここが知りたい!”と思っている論点を最後まで諦めずに求め続けることで生まれます。また、後者の楽しさは、参加者同士の“ 関わり合い”を通じて生まれ、そこに講師も加わることでクラス全体としての楽しさにつながっていきます。これらの楽しさは、相手が求めていることを知ろうとしたり、全員がかかわり合うことを前提にしていますので、自然と学びの質が上がっていきますね。どちらか一方の楽しさに偏り過ぎず、両方の楽しさを満たせるような研修デザインができれば、講師も受講者も、研修を通じて高い効果を得ることができます!