OPINION 3 ゲームに見る「楽しい」学びの可能性 人が夢中になるノウハウを持つ「ゲーム」を学びに活かす
「楽しい」学びで社員のモチベーションアップを図る1つの手段として、楽しく学べる「ゲーム」の活用への注目が高まっている。そこで、ゲームを活用した学習のデザインを研究している東京大学の藤本徹氏に、ゲームの楽しさとは何か、またゲームはどう学習に活用できるのかなどについて伺った。
──「楽しさの中で学ぶ」とモチベーションが上がるとして、ゲームに注目が集まっています。
藤本
一言で「楽しさ」と言ってもいろいろあります。即興で参加して楽しむお祭り的な楽しさもあれば、スポーツのようにスキルを磨いて達成していく楽しさも、受け身で享楽的な楽しさもあります。「楽しさ」はまた、参加者のモチベーションによっても違ってきます。モチベーションの高い人が感じる楽しさと、低い人が感じる楽しさとでは違いがあります。そんな中で、ゲームの楽しさとは、難しさもあるけれど、継続して体験したくなるという楽しさです。ゲームが楽しいのには理由があります。それは、次の4つの要素があるからです。1.目的2.ルール3.アクションに対するフィードバック4.自発的参加どんなゲームにもこの要素が入っていますし、これらの要素を工夫して組み込むことで活動を楽しいものにして、ゲームに没頭しているうちに目的達成に必要なことを学んでいるのです。