連載 データから見えること 第2 回 e ラーニングと人事・IT 戦略
各企業がe ラーニングにどんな目的を持ち導入し、またそこからどんな効果を得られたかというデータから・e ラーニング実施において人事・教育担当者や経営者が認識すべき事柄を読み解いていく。
e ラーニングの導入目的とその実際の効果
現在、ビジネス界で主流となりつつあるe ラーニング。そのメリットは、パソコンやインターネットを利用することで、教室では不可能な遠隔地への教育の提供や、コンピュータならではの教材が利用できると共に、様々な効果が測定しやすい点などが挙げられる。2006/2007年版eラーニング白書によると、各企業のeラーニング導入は、「研修の効率化(時間短縮)」(69%)や「従業員の受講率や修了率の向上」(53%)が主目的である。
では、いったい、このe ラーニングを採用したことで各企業に具体的にどのような効果が表れたのだろうか。
右のデータ1は、2006 / 2007 年版eラーニング白書の中の「e ラーニング導入効果の評価項目と結果」だが、これを見ると「研修の効率化(期間短縮等)」、「受講率等の向上・学習機会の増大」の評価項目において、評価を実施しており、「研修の効率化32 %(期間短縮等)」、「受講率等の向上・学習機会の増大28%」と効果が出ている。
導入目的と結果を併せて見てみると、「研修の効率化」(32 %/ 69 %=46.3 %)と「受講率等の向上・学習機会の増大」(28 %/ 53 %= 52.8 %)が導入の主な目的に対して約50%の効果が出ているということになる。