Close up 特別企業研究 松下電器産業 経営理念の他にタブーなし
33 万人の社員を抱える巨大企業・松下電器産業。みずから純日本的と振り返る企業体質から脱却するべく取り組んできた改革とは? 注目の講演の見どころ・聞きどころにせまる。
松下の目指すグローバルエクセレンス
松下電器産業は、2000 年6 月に中村邦夫社長が就任後、「経営理念の他にタブーなし」を合言葉に積極的に経営改革・人事改革に取り組んできた。そして、これらの改革はこの6 年間で確実に成果をあげてきた。HRD JAPAN2007では、特別企業研究セッションの対象として、この松下電器産業をとりあげることとなった。
基調講演「グローバルエクセレンスに向けた経営改革と人事改革」を行うのは常務取締役の福島伸一氏。
グローバルエクセレンスとは、松下電器産業の2010年に向けた、めざす姿。つまり、松下電器はもはや日本だけの企業ではなく、グローバルに商売をしなくてはならない。そのためには、それぞれの国で根付き、それぞれの社会から認知されなければならない。それに必要なのは、確かな売り上げと利益を確保すること、また、それに恥じない社員であることが必要とされる。
「グローバルエクセレンス」とは、松下電器産業としての考え方の指針であり、社員の行動規範であり、誇りでもあるのだ。
そのグローバルエクセレンス実現のために、松下電器産業は様々な改革に挑んできた。そのテーマは、図1 にあるように「破壊と創造」。
これまでの成功体験による20世紀型を「破壊」するという決断に至った経緯、21世紀型の「創造」の過程が人事を担当する福島常務の口から語られる。