連載 海外HRD 事情 第5 回ヨーロッパ発 ヨーロッパで台頭する 理系出身の女性マネジャー
科学は女性を必要としている
私が欧州でR&D分野のコンサルティングをはじめて25 年になるが、ここ5年ほど、理系の女性マネジャーとの仕事が、目をみはるほど増えた。米系企業ほどではないが、人事・法務・財務の女性責任者は、以前から欧州でも珍しくはなかった。しかし、最近では技術分野での、女性の進出がめざましい。
コストダウン・プロジェクトで一緒に仕事をした大手自動車メーカーの購買担当者は、大半が女性技術者だったし、トルコのテレビメーカーのソフト部門の8割が、英語のできる女性たちだった。実務レベルでも管理者クラスでも、公正に見て、皆かなりの実力をもった技術者たちである。
ことフランスに限れば、「出産・育児」に対する“社会と会社”の対応で、日本との格差が如実にある。「少子化」問題で、ニュースは伝わっているようだが、フランスは欧州でも貴重な人口増加国で、女性1人当たりの出生率が2人を超えている国である。