日本型EAPとメンタルヘルスの統合 個人へのサポート強化で社員個人の 自律と会社組織の活性化を促す

以前から日本にもEAPはあるが、企業の理解はメンタルヘルスに終始し、多くの企業では人材教育と無縁の世界であるとして、切り離して運営されているのが実情だと思う。また、外部EAP の事業者が多数参入しているが、会社内部の人間関係や仕事の特性をしっかり取り込んだサポートというよりも、一般的な意味でのメンタル対策に終始してしまっている。新しい提案や、サービスの改善につながらず、手詰まりの状況にあるのではないだろうか。
一方、従業員の心の問題に焦点を当て、いかに元気にしていくかという問題意識が急速に高まり、多くの企業でキャリアアドバイザーやキャリアカウンセラーを養成し、活動の場を与えている。手詰まり感のあったEAP 領域が、キャリアアドバイザーやキャリアカウンセラーを取り込むことで、日常のよろず相談をきっかけにして、「日本型EAP」ともいうべき独自の支援システムの構築が可能になってくると思う。先行企業の中でもとくに積極的に活動している日本電気(NEC)、キヤノンのキャリア支援の現場で行われている話を伺い、現状と今後の方向性に関して一緒に考えていきたいと思う(花田光世)。

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