特集 日本型EAPと メンタルヘルスの統合 ~メンタルヘルスの「仕組み」と「教育」~
EAP = Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)への企業の理解は、おもにメンタルヘルスの問題と解釈される向きがある。しかし本来EAP は、従業員に何か起こってから対処する支援だけでなく、それ以前の対応が重要なのである。それには、従業員個人のキャリアと自律を理解し支援する、キャリア支援の体制が必要だ。
現在、企業においてのコミュニケーション不足は、深刻な問題である。従業員は、何か問題を抱えていても、直接の上司には話しにくいという社内の雰囲気もあるだろう。
また、管理する側はプレイングマネジャーとしてノルマに追われ、部下への細かい配慮を怠りがちになる。そういったとき、キャリアアドバイザーやキャリアカウンセラーのような、部署の上下関係とは別のセクションが、社員個々の日常の相談役となって機能することを、企業内で充実させることが急務といえよう。
2006 年4 月に労働安全衛生法が改正されたことに伴い、従業員のメンタルヘルスに対する関心も高まる中、EAP のあり方を再度認識する時期がやってきたのではないだろうか。
本特集ではEAP 先進企業のキャリアアドバイザーの諸氏や、専門家の方々に今後とるべき対応を語っていただき、日本における新しいEAP のあり方を探っていく。