データから見えること 避けられないマクロトレンドと日本企業の活路
日本企業は、今、新たな時代に突入しようとしている。過去とは様変わりする環境下において、遅くとも今後10 年のうちに日本企業は新たな成功の方程式を組み立てなければならないだろう。そこで本稿では、新たな人材・組織マネジメントの構築に求められる要件を、データから読み取っていく。
人口減少のインパクト
将来予測には不確実性が伴うが、かなりの確度で予見できる変化がある。その1つが、誰もが知る「人口減少」である。図表1に今後50年の人口推移予測を掲げているが、人口減少は2 つの意味で日本経済に大きなインパクトを与える。
第1 は総人口の減少による消費者の減少である。消費者の数が減ることによって、国内の「需要」が減少する。これは個人向けビジネスだけでなく、法人向けビジネスにも波及する。
第2 は生産年齢人口の減少による働き手の減少である。つまり、「供給」力が減少する。供給力の減少率は総人口の減少以上のスピードになると予測されている。かつての高度成長期に、いわゆる人口ボーナスが寄与したのと反対の現象が起きる。
需要も減り続け、供給も減り続けると、経済はどんどん縮小均衡していく。年々、経済が縮小する状況が長年にわたって続く状況を私たちは経験したことがない。これは社会の活力を大きく衰退させる恐ろしい事態である。