第2回 ニューフェースの多様な経験を活かせ! 中原 淳氏 立教大学 経営学部 教授
ある日、チームの7割が「新しい人」になってしまったら?
未経験者ならではの「強み」を活かす“チームアップ作戦”を取材しました。
理想の結婚式を実現する異色なチーム
山梨県小淵沢の星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳は豊かな自然に囲まれた滞在型高原リゾート施設。高原の景色を楽しめるリゾートウエディングも人気で、最近は新郎新婦や参列者が結婚式前後に滞在する宿泊型ウエディングが増えているそうです。
ここで四季折々の魅力に合ったウエディングのコーディネートと当日の進行を手がけるのが、30名ほどのブライダル部門の担当者。中でも新郎新婦とコミュニケーションをとってニーズを引き出し、イメージ通りのウエディングを実現させるコーディネーターは、カギとなる存在です。
新郎新婦にとって、結婚式は失敗のできない大事なイベント。最近はウエディングに関する情報が氾濫しているためか、要望が二転三転することもあり、コーディネーターには核となるニーズをきっちりかつ細やかに把握するコミュニケーション能力と、イメージを共有するための想像力が必要とされます。また、大きな式ともなれば、社内外50名以上の関係者との連携も大切な仕事です。
現在(2018年5月)、リゾナーレ八ヶ岳でコーディネーター業務にあたっているのは14名。しかし、そのうち9名がバンケットやフロントなど他部署からの異動や転職などで入ってきて半年程の「新しい人たち」。また、以前からいた5名のうち3名も1、2年目で、ベテランは2名しかおらず、なんと「7割超が新人」といいます。おまけに、このチームを率いるディレクター、永田淑子さんも半年前に異動してきたばかり。果たして、永田さんはこの「7割新人チーム」をどのように“チームアップ”しているのでしょうか。
ブライダル予約進行ユニットディレクター永田淑子さんと人事総務担当の目黒雄子さんにお話をうかがいました。
あえて未経験分野にアサインする
中原:
ご自身も含め7割が新しい人という状態では、最初はオペレーションを回していくだけでも大変だと思いますが。
永田:
はい。でも、私自身悲観はしていませんでした。さまざまな経験値があるスタッフがいれば、むしろ面白いことができるかも?! と逆にワクワクしていたのです。
苦労もありましたが、チーム発足時から、「いろんな経験者がいてよかったな」と感じることが多かったです。宿泊担当だったスタッフは、チェックイン後の流れを把握しているので、「お話をするのはこのタイミングがいいですよ」といった投げかけをしてくれましたし。バンケット会場を担当していたスタッフは「この人数ならこちらの会場がいい」などと提案をしてくれます。
中原:
へぇ。皆さん、意外にコミュニケーションはスムーズだったんですね。以前はどんなチームだったんですか?