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月刊 人材教育 2018年03月号

社労士が斬る イマドキお悩み相談 最終回 何年も前のセクハラ通報
働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。
最終回 何年も前のセクハラ通報
退職した社員から、「在職中に上司からセクハラを受けていた」という電話があった。聞いてみると、セクハラをめぐるトラブルで退職せざるを得ない事情だったようで、会社として責任ある対応をとってほしいという。「今さらどうして」という気もするが、放置していてSNSなどに告発されても困る。どのように対応すればよいだろうか。
社内通報と社外通報は違う
社内の不祥事というのは、まさに現在進行形で発生するものです。会社としては、関係者との雇用契約があるので業務指示や調査・交渉が可能です。では、今回のように社内トラブルが起きた時点では把握できず、従業員が退職してずいぶん時間が経った後で通報があった場合はどうなのでしょうか。
状況を整理すると、既に退職して「社外の第三者」となった人から社内の問題を指摘された、ということになります。元社員ということで社内の問題の延長のように捉えてしまいがちですが、既に社員ではないため、SNSでの拡散やマスコミ等への情報提供のリスクも高いといえます。したがって、会社として丁寧に対応する必要があります。
事実確認して誠意ある対応を
プロフィール

藤原英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93 ~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03年に独立、04年から現職。
[文] = 柳本友幸 [イラスト] = 秋葉 あきこ